Interop 2022の成果は、互換性改善を“測れる共同作業”にしたことだった

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Mozilla Hacksの「Interop 2022: Outcomes」を読みました。Interop 2022は、Apple、Bocoup、Google、Igalia、Microsoft、Mozillaが参加して、Webプラットフォームの実装差を減らすために進められた共同プロジェクトです。

すでにこのブログではInterop 2023の記事も紹介していますが、今回の記事はその前提になる「最初の年に何が起きたか」を振り返る内容です。

記事の要点

  • Interop 2022の重点領域では、各ブラウザがテスト通過率を大きく改善し、全ブラウザが90%を超える状態になりました。
  • Viewport Unitsは、全ブラウザ0%から全ブラウザ100%へ到達した代表例として紹介されています。
  • Firefoxは、Firefox 95時点の約60%から、2022年12月リリースのFirefox 108で90%へ伸びました。
  • CSS Containmentは、Firefox 103での改善を含めて、既存機能の品質改善として取り上げられています。
  • Cascade LayersはFirefox 97、Chrome 99、Safari 15.4で相次いで出荷され、Interopが新機能を実用水準へ押し上げる例になりました。
  • Web Compatibility重点領域では、実際のサイト破損につながっていた既存機能の差分も改善対象になっています。

リンク先も見てわかったこと

元になった「Announcing Interop 2022」では、Interop 2022が「focus areas」と「investigate areas」を分けていたことが説明されています。前者はweb-platform-testsで測れる領域、後者は仕様やテスト基盤から整理しなければならない領域です。この分け方が、成果記事を読むうえでかなり重要でした。

wpt.fyiのInterop 2022ダッシュボードは、単なる発表ではなく、各エンジンの進捗を公開指標として追える場所です。Web互換性の改善を「各社ががんばっています」という話で終わらせず、テスト結果として見える形にした点がInteropの特徴です。

また、Google側のInterop 2022 end of year updateでは、Cascade Layers、dialog要素、Subgrid、Viewport Units、Color 4など、実際に開発者が使う機能単位で成果が整理されていました。WebKitのSafari 16.2の記事でも、Safari Technology PreviewのInteropスコアや、Font Features、Last Baseline、CSS修正などが触れられています。Mozillaの記事単体よりも、ブラウザ横断の取り組みだったことが見えやすくなります。

気づき

今回の気づきは、Interop 2022の価値は「特定の新機能を出したこと」だけではなく、「ブラウザ互換性改善を、共有されたテストと公開ダッシュボードで進める作業にしたこと」だという点です。Web標準は合意されていても、実装差が残れば開発者は回避策を書き続けることになります。Interopは、その差分を抽象的な不満ではなく、合意した重点領域とテスト結果に変換しました。

特に面白いのは、新機能だけでなくWeb Compatibility領域が含まれているところです。新しいAPIの出荷は目立ちますが、実際のサイトを壊している小さな差分を直すことも、Webを使いやすくするうえでは同じくらい重要です。Interop 2022は、華やかな新機能と地味な互換性修正を同じ指標の中に並べた点で、かなり実務的な取り組みだったと感じました。

読むとよさそうな人

  • Interop 2023以降の背景を知りたい人
  • Web互換性改善がどのように測定されているかを知りたい人
  • CSSやWeb APIの実装差が、ブラウザ横断でどう縮められているかを知りたい人

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