Interop 2023は、互換性改善を“重点領域と調査領域”に分けて前進させた

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Mozilla HacksのAnnouncing Interop 2023を読みました。Interopは、各ブラウザベンダーが同じWeb標準を同じように実装できているかを、公開テストとダッシュボードで継続的に見ていく取り組みです。

この記事で印象的なのは、互換性を「なんとなく大事なこと」として語るのではなく、web-platform-testswpt.fyiのダッシュボードに寄せて、改善対象を測れる形にしている点です。Firefoxだけを良くする話ではなく、Gecko、WebKit、Blinkがそろって通る状態を目標に置いているところに、Webらしい健全さがあります。

記事の要点

  • Interop 2023は、Apple、Bocoup、Google、Igalia、Microsoft、Mozillaなどが参加するブラウザ互換性改善プロジェクトです。
  • 対象は「Focus areas」と「Investigations」に分かれます。前者は仕様とテストが整っていてスコア化できる領域、後者はテスト基盤や仕様整理から始める必要がある領域です。
  • CSSでは、Flexbox、Grid、Subgridを継続しつつ、Container Queriesや:has()のような新しい機能も対象に入っています。
  • Webアプリ寄りの領域では、Web Components、OffscreenCanvas、WebCodecsが取り上げられています。UI部品化、グラフィックス、動画処理といった実装差が体験差になりやすい領域です。
  • Web Compatibilityの領域では、仕様単位ではなく、実際にサイトが壊れている事例をもとにテストを選んでいるのが特徴です。

参照リンクから見えたこと

記事中のリンクも1世代分確認しました。Interop 2023 READMEでは重点領域が整理され、State of CSS 2022はCSSまわりの開発者ニーズを補助線として使われています。MDNのContainer Queries:has()Web ComponentsOffscreenCanvasWebCodecsを並べて見ると、Interop 2023は「CSSの書きやすさ」と「Webアプリの表現力」を同時に押し上げようとしていたことが分かります。

また、前年のInterop 2022の振り返りを読むと、Viewport UnitsやCascade Layers、Web Compatibilityで実際にスコアが改善した流れが説明されています。Interop 2023は、その成功を受けて、より複雑な領域にも測定と合意形成を広げる年だったと言えそうです。

気づき

今回の気づきは、Interopの価値が「今年直すリスト」だけではなく、「まだ測れない問題を、将来測れる問題へ変換する仕組み」にあることです。Focus areasだけならテストの点数競争に見えますが、Investigationsを併設することで、モバイルやアクセシビリティのようにテスト基盤から作る必要がある領域も、次の改善候補として扱えるようになります。

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