Mozilla Hacksの「Down and to the Right: Firefox Got Faster for Real Users in 2023」を読みました。この記事は、Firefoxの性能改善をベンチマークの点数だけではなく、実際のユーザー環境から集計した匿名のタイミング指標で見ようとしている点が特徴です。
記事の要点
記事では、FirefoxがSpeedometer 3の取り組みを通じて性能改善を進めてきた一方で、本当に大事なのはその改善が実ユーザーの体験に届いているかだと説明しています。Firefoxはページ読み込み、応答性、起動などに関する匿名化されたタイミング指標を集めていますが、プライバシーを守りながら集計するため、特定サイトごとの細かな分析には限界もあります。
まず取り上げられているのがFirst Contentful Paintです。MDNによると、FCPはブラウザがDOM由来の最初のコンテンツを描画し、ページが読み込まれていることをユーザーへ示すタイミングです。記事では、response startからFCPまでの中央値が2023年初めの約250msから10月には約215msへ改善し、ページ読み込みのフィードバックが約15%早くなったと説明されています。
次に、ページ読み込み中のJavaScript実行時間です。95パーセンタイルで見ると、年初の約1560msから10月には約1260msへ下がり、約300ms、ほぼ20%の改善が見られています。記事では、Speedometer 3に関連する作業がSpiderMonkey JavaScriptエンジンの最適化につながったことが、この改善の大きな要因だと示唆されています。
さらに、読み込み後の応答性としてkeypress present latencyも紹介されています。これはキー入力から結果が画面に表示されるまでの時間です。95パーセンタイルでは、年の大半で約65msだったものが、Firefox 116と117のリリース後に59ms未満へ下がったとされています。
気づき
この記事の気づきは、性能改善の成果を「速くなったはず」では終わらせず、ユーザーが感じるタイミングまで戻して見ていることです。ベンチマークは改善の方向を決める道具として強力ですが、最終的にはFCPや入力応答のような体感に近い指標で確認しないと、仕事の価値が見えにくい。プライバシーを守りながら集計値で判断する制約込みで、実ユーザー指標へ接続しているところが実践的だと感じました。

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